本 光の雨
本は一杯読んでいるのだが、ここのところ感想を書くのを永らく怠っていた。
が、この立松和平氏の本は書かずにいられない。
小説に関しては氏のホームページを参照していただきたい。
時代は2030年。80を超えた老人玉井潔が語り部。 彼は、60年前の“あの事件”のために死刑判決を受けたが、死刑廃止に伴い釈放された過去を持つ。移動の際の電車の中や夜寝る時にしか読まないため、読了まで思ったよりも時間がかかってしまった。
釈放されてからも尚、あの事件を背負い生きながらえている。 「事件の全てを伝え遺したい」、死期を悟った彼は、偶然に知り合った18歳の若いカッ プル相手に、自分達が夢見た「革命」とその破局の全てを語り始めた。
都会で、また人里離れた雪山の中で、なぜ16人の同志が殺されて行ったのか、殺されねばならなかったのか。そして 自分達はなぜ彼らを殺したのか…
だが、時間がかかった本当の理由は別にあるようだ。
俗に言う“連赤事件”が起きた時、私は中学1年だった。 期末試験の勉強をしなくてはいけないい状況だったのに、ニュースが気になり親に「寝なさい」といわれるまでTVを見続けていた。 自分の部屋に引っ込んでも事件が気になり、ラジオを付けて密かに実況を聞き続けた。 不謹慎な話だが、寝て朝になったら事件が終息してしまう気がしていたのを今も覚えている。 何か歴史の一証人という大事な“時”に立ち会っていたいと感じていた。
そして次にこの事件を意識したのは、角間隆著の『赤い雪―総括・連合赤軍事件 ドキュメント』に出会った時。 発売されたのは1980年の2月、この時点で7年の時間が経過していた。
内容(「BOOK」データベースより)そして、今冬に『光の雨』と出会った。 もちろん1996年に出版された佐々淳行著の『連合赤軍「あさま山荘」事件』も1999年に文庫化された時に読んでいる。
昭和四十七年(一九七二)二月二十八日午後六時二十一分、長野県軽井沢の“あさま山荘”で、「連合赤軍」と名乗る五人の若者が、激しい銃撃戦のすえ逮捕さ れた。いったい、何が、彼らにそのような行動をさせてしまったのであろう…。仲間の半分をリンチにかけて殺すという惨劇を白昼のもとにさらした“連合赤軍 事件”は、この時代の若者たちの“革命幻想”を踏みにじってしまった。当時、戦後三十年の平和に慣れきっていた日本国民に衝撃を与えた大量リンチ殺人の真 実を明かしたドキュメント。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
角間 隆
1936年大阪市生まれ、金沢育ち。1959年東京大学在学中に上級職国家公務員試験に合格。1960年同大学卒業後NHKに入局。報道・社会番組、海外 取材番組の制作に従事。1964年コロンビア大学ジャーナリズム大学院に留学。1980年に独立。現在は、ノンフィクション作家、評論家として250冊以 上の単行本を出版するかたわら、国際ジャーナリスト会議(IJC)の理事長として宇宙規模の情報ネットワーク活動の構築・展開をしている(本データはこの 書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『光の雨』は小説にもかかわらず、あまりに生々しい。 自分が生のニュースを通じて知っているからか、学生運動が下火向かう時代を多少知っているからか・・・ 小説が粛正の場面に向かうあたりで、ページをめくる手が震えはじめ、動機が激しくなってきてしまった。 昔読んだ『赤い雪』のリンチの場面が不意に蘇って来たからかも知れない。 漠然とした不安感を抱きながらも、読み進み眠りについた。 そして次の日、本をどこかに置き忘れて無くしてしまった。 慣習として、ほとんどの本は持ち歩き、時間さえあれば読んでいる。 が、持ち歩いている本を無くしてしまったのは2回ほど。 よほど気持ちの何かに負担を感じさせるものがあったらしい。 直ぐに中古品を買い求め、繋ぎに他の本を読み始てみるものの、書かれている文字が全く頭に入って来ない。 あきらめて、新しい本が来るのを静かに待った。
そして本日読了。
映画化されたものもレンタルで見るつもり。
ラベル: 和書

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