本「ガダラの豚」
中島らも「ガダラの豚」集英社文庫 読了。超絶的に面白い。キャラ立ちも申し分ない。民俗学から薬学、歴史、社会学まで網羅する中島らもの博覧強記ぶりに圧倒される。このマッドさ加減は日本のルーディー・ラッカーではないだろうか?もっと早く読むべきだった。
文庫版は3冊に分かれていて、第1巻は娘を失って新興宗教に入信した主人公の妻を奪還する話。テレビドラマ「トリック」よりも先に、手品師が超常現象のトリックを暴くというのをやっている。
第2巻は民俗学者である主人公が、テレビ取材のため家族を連れてアフリカに行く。ここですさまじい実力を持つ呪術師と遭遇することになるが...第3巻では日本に帰ってから怒濤のクライマックスを迎える。何を書いてもネタバレになるので読んでのお楽しみにしておく。
主人公の大生部とその家族の関係がとても良い。中島らもとその家族もこうだったのではないか。
アフリカ、そして日本を舞台に呪術による戦いが繰り広げられるが、日本もアフリカと変わらぬ呪術社会ではないか、という視点の転換が本書最大の醍醐味か。

タイトルは新約聖書の故事に由来する。ガダラ人を検索すると良いだろう。


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